〜〜〜壁に手をつき迫られる!〜〜〜







「ちょっと……」

「ん?なに?」

「なに、じゃないよ。」



目の前にいるやつは
ムカつくくらいに笑顔で…



「どうしたのさ、ため息なんかついて」

「つきたくもなるでしょ。何なの、この状況……」





…――稽古終わって帰ろうとすると
携帯の着信。
メールを開くと



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09/09/06 20:55

ちょっと

[本文]
渡したいものあるから
残ってて。




------END-------




一度、みんなと部屋を出た後
少し時間を置いてから戻ってみたら、当の本人は呑気にお菓子なんか食べていて。


「おー、来た来た」

「そりゃ来るよ。で?渡したいものって何??」

「まー、焦んなって」



立ち上がって、こっちに来たなー、なんて思ってたら立ち止まる気配なんてなくて



「ちょ、ちょちょちょ…」

「ん?」

「いや、何?」

「何って、なにが?」

「いやいやいやいや」



あれよあれよ、という間に
壁際まで追い詰められて…………

で、今に至る。








「渡したいものって何。…ていうか、近い」

「ぜーんぜん近くないよ。何ならもっと密着してみる?」

「なっ!!」

「あ、赤くなってる」

「…な、なってないよ!!」



笑う息が頬にかかる。
こんなに近いんじゃ、心臓の音が聞こえてしまうかもしれない…



「ちょ、離れて////」

「何で?」

「いいからっ!!////」

「いーや」




――ダンっ!!!!




「っ!?////」

「ほーら。もうこれで逃げらんない」



壁に手をつかれて
完全に退路を絶たれる。



「渡したいもの。」

「…え?////」

「俺がお前に渡したいのは―…」













吐息が耳朶にかかる。










「っ!!/////」

「また真っ赤。」

「だっ!!///お前のせいだろっ!!」

「ははは。ほら、帰ろうぜ」

「う゛――……///////」





繋がれた手は
ほんのり熱を持っていて…

あー
こいつも恥ずかしいのかな、って思った。

























『渡したいのは、お前への愛』








written by.藤原あやな